はじめまして。このサイトを運営している、元・事務職の小学校教員です。
いきなりですが、ひとつ質問させてください。
「教育学部を出ていない自分が、本当に先生として通用するんだろうか」
もし、あなたがこの不安に少しでも心当たりがあるなら——このサイトは、たぶんあなたのために作りました。

私自身が、着任前の3月にまさにこの言葉を、何度も自分に問いかけていました。
私がこのサイトを作った理由
十数年、ずっと「事務職」をやっていました
私は、もともと教員ではありませんでした。
大学を出てから十数年、いわゆる事務職のサラリーマンとして働いていました。書類をつくり、人と調整し、組織の中で物事を前に進める。そういう仕事です。教育とは縁もゆかりもない世界で、毎日を過ごしていました。
教員免許を持っていたわけでもありません。教育学部の出身でもありません。教育実習で揉まれた経験も、教職課程で理論を叩き込まれた経験もない。本当に、ゼロからのスタートでした。
それでも「先生になりたい」と思ってしまった
きっかけを全部書くと長くなるので省きますが、ある時期から「子どもと関わる仕事がしたい」という気持ちが、自分の中でどうしても抑えられなくなりました。
そして、わりと無謀に、教員への転職を決めました。



妻には「本気なの?」と何度も確認されました。本気でした。
着任1日目、私は何もできませんでした
晴れて先生になった私を待っていたのは、想像の何倍も過酷な現実でした。
学級開きで何を話せばいいのか分からない。給食はどう配ればいいのか分からない。掃除の分担すら、決め方が分からない。子どもが一斉にこちらを見ている、あの教室の空気の中で、私はただ立ち尽くしていました。
周りのベテランの先生方は、当たり前のようにそれをこなしていきます。教育学部を出た同期は、私が知らない専門用語を普通に使っています。
「やっぱり、自分には無理だったんじゃないか」
正直、最初の数ヶ月は、毎日そう思っていました。
でも、民間の経験は「意外なほど」役に立ちました
ところが、です。
しばらく現場でもがいているうちに、私はあることに気づきました。
事務職のサラリーマン時代に当たり前にやっていたことが、教室でそのまま使える。しかも、けっこう強力に。
たとえば——
- 仕事を「仕組み」で回す発想(給食・掃除・係活動は、すべて業務フローの設計と同じでした)
- 物事をPDCAで改善していく考え方(学級経営は、まさにこれの連続です)
- 人が動きたくなる「環境」を整えるという視点
最後の「環境を整える」というのは、のちに私が心理学を学び直す中で「ナッジ理論」という名前がついていることを知りました。叱って動かすのではなく、子どもが自然と望ましい行動を選びたくなる環境をつくる。これが、私の学級経営の柱になっています。



「専門知識がない」というハンデが、逆に「他の分野の知識を持ち込む」という武器になったんです。
つまり、教育の専門家ではなかったからこそ見えた景色が、確かにありました。そして、当時の私のように「何から手をつけていいか分からない」人に向けて、それを体系的にまとめておきたい——そう思ったのが、このサイトの出発点です。
このサイトで伝えたいこと
世の中には、先生向けの情報がたくさんあります。でも、私が新人だった頃に困ったのは、こういうことでした。
体験談は山ほどあるけれど断片的で、教育書は体系的だけれど堅すぎて、目の前の「明日どうするか」には届かない。
だから、このサイトは「実用的だけど、ちゃんと体系立っている」という、その中間を目指しています。
私が大切にしているのは、次の3つです。
1. 「こうすべき」ではなく「自分はこうした」
偉そうに教えるつもりは、まったくありません。私自身が失敗だらけの新人でした。だから、このサイトの記事は「正解」ではなく「私が試して、効いたこと」として書いています。合わなければ、捨ててください。
2. 異業種の視点を持ち込む
民間で当たり前だった仕事術を、教育現場に翻訳してお伝えします。「会社のチームづくりと、学級づくりは同じ」——この感覚は、転職組ならではの強みだと思っています。
3. 心理学・ナッジ理論を土台にする
なんとなくの精神論ではなく、行動科学に裏打ちされた「なぜそれが効くのか」まで掘り下げます。ここが、このサイトの一番の特徴かもしれません。
このサイトの歩き方
記事はバラバラに置いているわけではなく、「準備 → 学級経営 → 授業 → 校務」という順番で、ひとつの虎の巻になるように構成しています。今のあなたの状況に合わせて、入口を選んでください。
- 着任前準備… これから着任する方へ。まず読むなら「黄金の3日間」の設計から。
- 学級経営… 日々のクラスづくりに悩んでいる方へ。心理的安全性のある学級のつくり方など。
- 授業づくり… 発問・板書・常時活動など、授業の基本の型を。
- 校務… 給食・掃除・所見など、地味だけど避けて通れない実務を仕組み化。
- メンタル・働き方… しんどくなったとき、続けるための考え方を。
- 心理学×教育… ナッジ理論や動機づけなど、このサイトの差別化の柱です。
最後に
教員養成課程を出ていなくても、先生にはなれます。私が、その生きた証拠です。
最初はうまくいかなくて当たり前です。私も毎日つまずいていましたし、今も完璧にはほど遠い、ただの3年目です。それでも、ゼロから始めた人間だからこそ伝えられることがあると信じて、ここに記録を残しています。
同じように「教員養成課程を出ていないけれど、先生になりたい/なった」あなたの、ほんの少しの支えになれば、これ以上うれしいことはありません。
どうぞ、ゆっくり見ていってください。



いっしょに、少しずつ一人前を目指していきましょう。